ストラトのキャパシタ換えたらどうなった?

 この間、Lace Almitoneをインストールしたストラト
キャパシタを交換します。
※記事中にてキャパシタとかコンデンサという言葉が
 たくさん出てきますが、意味は同じです。

インストールした時の記事(ストラトのピックアップをLace Alumitoneへ交換しちゃうぞ 後編 - 彩庵草子)には書いていなかったけど、LaceのLaceSencerの配線図を見て「あれ?」って思ったんですよ。
何かと言うと、まぁこちらをご覧ください(PDFが開きます)。
http://www.killer.jp/lace/wiringblockdiagram/1.pdf
Wiring Diagrams - Seymour Duncan | Seymour Duncan
 ま、普通のストラトの配線図なのですがね。
 今回のタイトルをヒントにして、気づいた方もいらっしゃるのでは?
そう、トーンのキャパシタが0.022MF(マイクロファラッド)じゃん!
 一応、説明しておきますと、通常、ストラトキャスターのトーンキャパシタコンデンサ)は容量0.047μFのものを使います。
ご多分にもれず、自分のストラトも0.047μFのビタミンQというキャパシタを使用していました。ところが、どうやら最近USAでは0.022μFを使うらしい? 
 ダンカンのページだと、ハムバッカーには逆にこれまで0.022μFだったのが、0.047μFのキャパシタを使っているし。
Wiring Diagrams - Seymour Duncan | Seymour Duncan
 まぁ、トーンを使わなければ良いのですが、そういうわけにもいかない。なんか、トーンが効きすぎて、めいっぱい絞るとかなりコモッた感じになるなぁということで、交換することにした。
 あ、それと、ハイパスコンデンサとかいうのを導入すると、ボリュームを絞っても高音が減衰せず、篭らないという話を聞いたので、これにもチャレンジすることにしました。

で、本日のメニューです
1.ピックガード交換
 え? タイトルにも今までの話にもなかったじゃん(^_^;)
 まぁ、前から変えたかったんですけど、安いのが手に入ったので
 例によって「ついで」発動です
2.ひっそりイナーシャルブロック交換
 同上(°O゜)☆\(^^;) バキ!
3.トーンキャパシタ交換
4.ハイパスコンデンサ増設(>スムーズテーパーボリューム化)

3本4本でお送りしま〜す。
んがぐぐ


・ピックガードを加工します

 今回ピックガードを交換するのはLACE Alumitoneをインストールしたストラトなので、最初にインストールしたとき同様ピックガードの加工が必要となります。前回はテストで、かつピックガード交換を念頭においていたので、適当に削ったのですが、今回は本番なので、もうちょっとだけ丁寧にやります。
 で、本来はプラ板やアクリル板でテンプレートを作るつもりだったのですが・・・・まぁ、貧乏性だし、今回だけのために、そんなの作るのは、ちと面倒だったので、最終的に紙で作って慎重に作業することにしました。前日にダンボールをみんなゴミに出してしまったのは失敗だったorz
 手順は
 ・ピックガードをスキャン
 ・イラストレータに配置して、別レイヤーで角丸の四角形 
  を・・・
〜ちょっと参考にならなそうなのでカット〜
 ・ミニルーターで型紙に沿って大雑把に削り、平ヤスリ等で修正

 で、削り終わったものをこちらに用意してあります(°O゜)☆\(^^;) バキ!
若干ゆがんでいますが、まぁ、前回よりは綺麗に出来たかな?
所詮素人加工ですがね。






ついでに、裏にアルミテープを貼りまくりました。あまり意味はない。というのも、本来、本体側のザクリとかにも貼って、別途アースを落とさなくてはいけないのですが「あ、Alumitoneってあまりノイズないから、そこまでしなくていいや」とか思っちゃったので(^_^;)
 あとは、回路を新しいピックガードに移設して終了。



・トーンキャパシタの交換

 つぎにトーンキャパシタコンデンサ)の交換です。
 このキャパシタですが、安いのは10円前後、高価なビンテージも
のだと1万円以上で取引されているのもありますね。
でも、正直こんなのに高い金額はらうのはないなぁ。
 ビンテージもののキャパシタをインストールしている方を否定し
ているわけではないですよ! ただ、それだけの価格に見合う効果
があるかというと、自分の価値観からはなさそうだな。というだけ
です。ただ、気分的な問題80%で数百円程度のキャパシタに交換す
るようにしています。
 高価なキャパシタを使わない理由は

・容量が変わらないなら、通す周波数は変わらないはず。
 それが変わるというのは、精度の問題でしかない。
 しかし、精度があまり良くない方が音楽系の回路では逆に
 良い作用を与えることが多い。故に交換そのものは否定しない。

・ビンテージものというのは要するに劣化して容量が減っていたり
 するだけなのでは? なら、普通にちょっと容量の小さなコンデ
 ンサを買っても同じことでしょ?

・オイルコンデンサがセラミックコンデンサより高いのは単に生産
 コストが高いだけで、性能が良いわけではない。むしろ、
 セラミックコンデンサやマイラコンデンサの方が性能が高いし、
 価格も安い。真空管トランジスタの関係に似ているかな?

 すなわち、重要なのは素材等による「性能のゆらぎ」であって、古さではない。ブランド価格やビンテージ価格、生産国価格に振り回されるのは貧乏人の敵! ということですね。言い換えれば、安ければ古いキャパシタって、結構良さそうだね。ってかんじ。
 なので、自分は1000円以内(これでも結構妥協している)のキャパシタしか使わないです。繰り返しますが、ビンテージの高級なキャパシタを使用すること自体は否定はしていないですよ。


で結局、付けたのがこれ。なんか古そうなセラミックコンデンサです。通常コールドは真ん中のポットに付けるのですが、写真を見てもわかるとおり、この真中のポットは何故かハンダが付きづらいんです。小型を買ったのはいいけど、素材がステンレスかなんかなの? 何回もやり直しているから、汚いでしょ? だから、必要最低限なもの以外は、3番目のポットに移動しました。
 セラミックコンデンサにしたのは、そのほうがストラトらしいキリっとした音になりやすいと聞いたから。あ、キャパシタの容量は0.03μFぐらい。なんか中途半端な大きさですね(^_^;) もちろん、500円以内で購入してきました。


・ハイパスコンデンサの増設

 続いてハイパスコンデンサ増設です。てかボリュームポットのスムーズテーパーボリューム化です。色々と調べているうちに、これを付けるとボリュームを絞ったときのコモリが解消されるのだそうです。ある年代以降のテレキャスなんかは最初からはいっているので、あの独特のキャリキャリした音が出るらしいですね。
 文系の俺が理解した感じでは、

・ボリュームポットのホットとコールドにコンデンサを付ける
 ことで、そのコンデンサの容量に比例した周波数の音が素通り
 になる。
コンデンサの容量が小さいほど高音域を残し、大きいと 中域の
 方まで通すようになる。(通す音域が広がる)
ということ。

 ならば、トーンのように音全体に影響するわけではなく、一定の周波数をきっちり分離してもらう必要がある。高価で容量の揺らぎが大きいオイルコンデンサやフィルムコンデンサを使うのは意味が無い。普通に安いセラミックコンデンサを使うべしと理解しました。
 で、ネットで調べたところ、容量0.001μF(1000PF)のコンデンサがよく使われるらしい。さらにポットとほぼ同容量の抵抗を付けるとスムースになるようです。ただ、満足する人と満足しない人がいるらしい。自分はどっちになるだろう? とちょっと不安でした。
 そこで、1000PF~3000PFのセラミックコンデンサと220KΩの抵抗を購入してきました。ちなみにコンデンサは1個10円です。
抵抗も20円くらい。お手軽ですね。
 と・こ・ろ・が! Twitterで「ハイパスコンデンサ買ってきたよー」とつぶやいたら、「それじゃ容量が大きすぎる」という意見が! どうやら、0.001μFというのは1MΩのポットを使ったテレキャスでの容量なので、かなり特殊な例。ストラトには(!?)もっと小さな容量でないとダメだということなのです('A`)
 ぢゃ、一般にハイパス用として売っているコンデンサストラトのハイパスに向いていないテレキャス用)つうことですね。気をつけましょう!


というわけで、機会を見て(シールドの材料買いに行った時に)買い直しました。
安いからこんなにいっぱい(w
本当は取っ換え引っ換えして好みの音を探る予定でしたが、面倒なので、割愛。とりあえず、Alumitoneの音をもう少し固めにしたいと(これはもともと付いていたキャパシタのせいかもしれない)感じていたので、高域重視に0.00022μF(220PF)のコンデンサを使うことにしました。次に開けたときはもうちょっと大きめの容量の奴に交換するかも。




で、選んだコンデンサを抵抗と一緒に足を絡めます。こうすることで、
ただのハイパスではなく、スムーズテーパーボリュームとなり、ボリュームの変化がなめらかになります。
 こんな50円以下の予算でできるボリュームポットが、市販になると(無駄に高いコンデンサを使用して)数千円になるんだからなぁ(^_^;) 参考までに、抵抗はオーディオ用の220KΩです。
抵抗の種類によっても音って変わるかなぁと思ったけど、まぁわからない程度でしょうね。




反対にするとこんな感じ。








で、これをボリュームポットの左と真ん中の端子に直付けします。
右はたいてい折られているから、迷うことはないですよね。


・完成!
作業が終わったら、組み付けて完成です。
 なかなか雰囲気が良いですねぇ。
音も結構好みな感じになりました。なぜかプレーン弦を弾いたときのペナペナした感じの音がちょっと落ち着いたかも。これはトーンキャパシタのおかげかなぁ?
 ハイパスのおかげで、ボリュームを絞ったときの音が、また良いですね。なんかテレキャスっぽい音かも。でも、ちょっときゃりきゃりし過ぎだから、次に開けたときは、もうちょっと容量の大きなハイパスコンデンサに交換するつもりです。

忘れてた!
 JagMasterについていたイナーシャブロックをこちらに移設しました。JagMasterの方はちゃんと穴の位置も合っている奴に交換済みです。アームの穴はやっぱり惜しいところで、ずれてました(^_^;) というわけで、こちらはベタ付決定。バネ5本でガッチリ固定してしまいます。ちなみに、このストラトにはFender USA American Standard用のブリッジがついてます。おなじ弦間10.5ミリです。

 毎回一気にいろいろと作業をするので、どれが効果があったのかわかりづらいのが、玉に瑕ですね。