STMを改造するよ! 〜その3 ブリッジ搭載と仕上げ編

さて、今回で完結編です。

 前回までで、ボディ、ネック、回路の修復・改造が終わったわけですから、後は組んで、弾けるようにするだけ。
 まずは、組んでブリッジを取り付けます。

  • ブリッジ取り付け

 さて、自分のSTMには前にも書いたようにFender Extreamというタケウチ製のフロイドローズが搭載されていたわけですが、通常はエンドロックスというGotoh製の、これまた結構特殊なブリッジがついています。でも、このエンドロックスはもう売っていません。中古でヤフオクなんかにすごーく稀にでることもあるのですが、1万円前後とダイキャストブロックにしては高価な価格。フェンダー純正ブリッジかよという値段。フェンダー純正も、あれはあれで不相応に高い。ブランド代ですね。というわけで、これは却下。ただ、そのエンドロックスはナローネックに対応するためか、弦間10.5ミリ幅という、通常より若干幅が狭いブリッジです。普通のフェンジャパは10.8ミリか11.2ミリ。米フェンダーは通常11.2ミリです。で、ブリッジでよく売っているのは10.8ミリ(ウィルキンソン等)か11.2ミリ(Gotoh製等)が圧倒的に多い。10.5ミリ幅のブリッジはフェンダーMex、Squire、米フェンダーのアメデラ等、意外とよく使われているのに、あまり売っていないんですよね。現落のことを考えると、あまり巾が広いのは使いたくない。で、いろいろと探していました。えぇ、直前までは普通に余っているフェンダージャパンのブリッジにしようと思っていたんです。しかし、御茶ノ水でこんなのを見つけてしまいました。
Babicz Full Contact Hardware というブリッジ。自分が買った時点で、ストラト用は最後の一個。ストラト用は通販でも見かけないくらいレアなのです。ブリッジのコマは通常イモネジ2本がしたから出っ張ることで弦高を調整するのですが、こいつは、ロータリー機構で弦高調節をするようになっており、コマの下はベタ付になっています。故にサスティーンが伸びるという奴ですね。ギミック好きとしてはその効果よりも機構にキュンキュンですよ。
Babicz Full Contact Hardware "eCAM" saddle - YouTube
で、気づいたら鞄の中に入ってました(ちゃんと支払いはしましたよ)(^^ゞ。
で、あとでノギスを使って弦間を測ってみてびっくり。こいつ弦間10ミリっす。何考えて作ったんだろう(;´∀`)。でも、今回の目的にはバッチリです! むしろ望むところです! しかし、外人さんはこの弦間でちゃんと弾けるの?
 基本、大満足なBabicz FCHですが、ちょっと残念なのはブロック。ちょっと薄い。でもブロックが厚いほうがいいのはあくまでサスティーンが伸びるからという理由。別の機構でサスティーンを稼いでいるので、ブロックが厚い必要はないと言うことなのだろうか。まぁサスティーンが長すぎても、弾きづらくなる(ハウリングしやすくなる)からね。と好意的に解釈していく。

 さて、実際の取り付け。普通は前のブリッジの穴にそのままつっこめば大体OKなんだけど、今回はそれがない。そこで、まずはネックの両端に定規を当てて中心を割り出します。写真とか無いです。イメージとしては/□\こんな感じ。四角がネックです。で、おおよそのあたりをつけて、3ミリ径で下穴を開けます。で、はめ込み。
うーん、よーく見ると、ちょっと左に傾いてます(^^ゞ もっときっちり測ってした穴をあけるべきだったな(°O゜)☆\(^^;) バキ! しかし、6弦側はオクターブチューニングが高くなりがちなので、少し後ろの方が良い。これでOKとした。おもてからはよくわからないし。

  • 思わぬ罠が待っていた

さて、早速弦を張ってみました。
しかし、今回は初めてのブリッジ。しかも、特殊な機構を持っています。まず・・・弦高の調整が良く解らん(^^ゞ そこが肝なのにねぇ。
 もちろん、日本でこのブリッジを付けている人は極少数だと思うので、HPやブログに記載している人も殆どいません。「載せようかなー」とか「買ってきた」で止まっていて、調整方法を書いたページがないんです。ちなみに説明書は全部英語です(^^ゞ
で、拙い英語力でなんとか読解しました。なんとか言う割には辞書使わないでも大丈夫でしたが(^^ゞ

なので、ここで本邦初公開(?)です。

で、分かりやすいように、うらのパッケージの絵を出しておきましょう。
まず、このブリッジコマの後ろには二つのイモネジが付いています。
左がロック用、右が調整用です。
簡単に言っちゃえば
1.左側のイモネジを緩める
2.右側のイモネジを緩めれば弦高が上がっていく
3.左側のイモネジを閉めて固定する

ぶっちゃけ、これだけです。分かってしまえばたいしたことはないね(^^ゞ
でも、結構悩んだんですよ。なぜかは後述します。
オクターブチューニングに関しては普通のコマと変わらないです。

 しかし、ここで第二の罠が待っていた。おもったよりも高さが稼げていないのか、一番高くしても弦がビビってしまうのです。だから、調整方法がこれであっているのかなぁなんて悩むことに鳴りました。
 測ってみたら6弦側で1ミリくらいしか無い。一番高くした状態でです。これではちょっとキツイ。0.5ミリくらい底上げしてあげるしか無い。というわけで、あまっていた0.5ミリの真鍮板でブリッジ用のシムを作って底上げすることにしました。こっちには4ミリで穴をあけました。なぜか3ミリだとねじがはいらなかったんだよなぁ。これは木に固定するのと、金属板を単に通すだけとの差ですね。こんなこと前代未聞だなぁ。
 ちなみに、あくまでこれは自分のSTMの特殊な環境での話ですので、通常のストラトに付ける場合にはむしろ、ネック部のシムが要らなくなるくらい丁度良くなると思います。
 で、完成!(゚∀゚)
実際には、前述したように、音が出なかったとか、なんとかごちょごちょとやり直したり、なんなりあったのですが、まぁここでは特に書きません。

 弦高も結構、低くできました。ネックが薄いので、すごく弾きやすいです(ネックが厚いほうが弾きやすい人もいます。ネックの厚さの好みは個人差があります。また、一般的にネックは厚いほうが音がまろやかになります)。サスティーンも通常のSTMより長くなったと思います。
 今回、ピックアップはあえて交換しなかったのですが、20年のエイジングがされているフェンジャパ純正ピックアップは鈴鳴りで、結構いい音がします。ステレオジャックの効果かノイズもあまりありません。
 思わず「あぁ、これこれ。これがストラトだよなぁ」とつぶやいてしまうほど。最近のフェンジャパ ストラトのピックアップはコモッちゃってダメですけどね。

 で、今回も無事、ほぼ満足良く形で完成です。